《「ドウダンツツジ」は君によく似合う》
生家の裏にある道を5分ほど歩くと神社が見えてくる。
その階段を上っていけば《樹下の二人》の作られた場所に行きつく。
階段の登り口に「ドウダンツツジ」が植えられていた。
ツツジといえば鮮やかな花のイメージだ。
しかし、ドウダンツツジは花が白い筒状で小さい。
華やかさは全くなく、ひっそりと咲いて目立たない。
かなり昔だが、大分の湯布院温泉に行ったことがある。
土産物屋が立ち並ぶ道路の無効に深紅の花が見えた。
すごく鮮やかだったので、どんな花かと確かめに行った。
それが両腕一杯の大きさのドウダンツツジだった。
店先の大きな鉢に植えられ、見事に紅葉していた。
あのひっそりとした花木がこんなに見事な変貌を遂げるのか。
ここ、神社の下なら日当たりもよく、寒暖の差も十分にありそうだ。
秋には見事な紅葉を見せてくれるに違いない。
内気ではあるが、心に熱い思いを持っていたチエにいかにもふさわしい。