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ここが相続の勘所

何円からでも遺産紛争が発生する・・!~ボス弁の相続事件簿(第2回)

ボス弁イラスト2【大した遺産がないから】というのが、遺言書を作成しないという一番大きな理由だという(前回、引用した2010年6月26日付朝日新聞。作成しない理由の45%にもなる)。
「大した遺産」というのはどの程度なのか、人によって異なるだろうが、実は、少額であろうとなかろうと遺産の争いは勃発する。

これまでの遺産紛争の相談のなかで、最少遺産額は総額400万円だ。
お父さんが亡くなり、相続人が子供4人だったから、法定相続なら1人あたり100万円になる。
相談者(長男)の言い分はこうだ。
「私が親の面倒を最後まで見た。他の兄弟はほとんど何もしなかった。亡くなったとたんに遺産をくれといい、しかも平等にと要求するなんて!」
他の兄弟にも言い分はある。
「遺産は400万円以上あったはずだ。長男だけが多くとるというが、遺言書もないのだから、平等に遺産をもらえるはずだ」

結局、この事件は受任しなかった。
亡くなれたお父さんと私とは親友で、その子供全員もよく知っていたから。
「できたら円満に解決したら」とアドバイスをしたら、血相を変えて怒られてしまった(相談者の相続人より、ついて来たその人の奥さんの方が怒っていたなぁ・・)。
長男からは事件を受任しなかったことで恨まれ、他の兄弟からは長男の相談に乗ったことで敵方とみなされ、結局、その兄弟とは縁が切れてしまった(ついでに言えば、法律相談料もくれなかった)。
そういうわけで、あの遺産争いの結末はわからないが、兄弟が完全に仲たがいをしたことだけは間違いがないだろう。
お父さん、せめて、生きている間に相談をしてくれたらよかったのに。
ボス弁イラスト1少額なら少額なりに、自筆でする費用のかからない遺言書の作成を教えてあげたのに。
遺言書を作成しておけば、このような紛争は避けられたのに。
兄弟を喧嘩させないように、それも遺言を書く大きな理由ですよ、お父さん。

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