事務所ブログ

弁護士のああ言う、こう言う

新元号を考える。

外部リンク:きょう元号 最多は「永」、「明治」は11回目の正直

元号といえば、私は昭和に生まれ、平成の時代に弁護士として最も元気に活躍した。
そして、今回の新元号で弁護士としての役割を終えることになる。
今回の新聞記事によると、《歴史の継続性》を確認できる、また、西暦といえば数字ばかりなので《親しみやすさ》もあるという長所があるようだ。
ただ、弁護士としての立場で言えば、ややこしいという難点がある。
例えばカルテなどは西暦であるが、通帳の入出金の取引履歴は元号のため、絶えず、頭の中で《西暦》⇒《元号》⇒《元号》の計算が必要になる。
この点をなんとかできないものか。

私は一覧表を作るときに《元号欄》とその横に《西暦欄》を併記しているが、1列増えることにより、ただでさえ大きな表が、さらに大きくなるという欠点がある。
もし、この点を改善するのなら、天皇の退位や譲位の際、例えば、平成なら元年からではなく、西暦の下2桁から始まるということもあり得るかもしれない。
例えば平成元年は1989年だから、平成を平成89年から元号を開始にするということも理論的にも考えうる。
しかし、今までの慣行と異なることのため、抵抗を感じる人も多いだろう。

なお、元号があるから、例えば《応仁の乱》や《天明の大飢饉》という歴史的事件にネーミングできるという見解もある。
しかし、《ウィーン世紀末の芸術》とか、《60年代の怒れる若者たち》という言い方もあり、元号がないと困るというほどのものではなかろう。
《昭和の古き良き時代》ということも言われるが、昭和は太平洋戦争を挟んでの約64年にもわたる長い時代であった.
古き良き時代は昭和30年代を言うのであろうから、昭和という元号で時代をひとくくりするというのも、乱暴な話である。

と、ここまで書いたところで、《令和》という元号になったという情報が入った。
《令》といえば、命《令》という言葉を構成する文字である。
その点が少し、気になる。
命《令》が幅をきかすのではなく、平《和》の方に重点を置いた、新しく、皆が幸福な時代になってほしいものだ。

(弁護士 大澤龍司)

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