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弁護士のああ言う、こう言う

重大な事故を防ぐために、行政に求められること

外部リンク:死亡事故、歩道橋が「死角」に 再度の要請で大阪市が撤去

記事によると、大阪市東住吉区の歩道で、歩道橋を避けた自転車と、歩道橋の脇から走行してきた自転車とがぶつかり、後者の自転車に乗っていた女性が車道側に倒れ、10トントラックにひかれて死亡するという事故があった。
この事故を受けて、大阪市はついに、この歩道橋の撤去を決めたようだ。

この歩道橋そのものを見たわけではないが、記事を見れば、現場の状況は容易に予想できる。
狭い歩道に歩道橋の階段があり、自転車や歩行者の道をふさいでいる場所は、よくあるからだ。
幅の広い階段に遮られて、階段の先は見えないし、階段と歩道橋自体の影になって、周りも暗くて見えづらいことが多い。
これまで死亡事故が起きなかったことが不思議なほど、危険な現場だといえるだろう。

もちろん、自転車でこのような危険な場所を走行するとなれば、スピードを緩め、周りを入念に確認しなければならないことは言うまでもない。
ただ、今回の事故現場のような場所は、おそらく全国にたくさんあり、重大な事故につながる危険が高い場所であることもまた明らかであろう。

私も普段自転車を使って移動することが多い。
自転車は非常に便利であり、大阪市内のような都会であれば、ある意味車よりも早く、融通の利く乗り物である。
ただ、社会は自転車使用者にとって利用しやすい設備が整えられているわけではない。
都会では駐輪場が足りておらず、時間によっては自転車を停める場所を探してさまようことがある。
また、「自転車は車両なのだから、原則車道を走行」と言われるが、車道の左端には、自動車が駐停車していることが多く、自転車で車道の左端を走行しようと思うと、非常に危険で、かつ自動車の走行を妨げてしまう。
だからといって歩道を走行するにも、歩道が狭いと歩行者の邪魔になったり、接触の危険も生じる。

上記のような現状を考えれば、記事のような事故を防ぐためには、それぞれが注意して走行するのはもちろんのこと、今回の歩道橋のような危険な構造物は撤去することを考える、自転車道の整備をする等、行政において対策をすることも求められるといえるだろう。
(弁護士 岡井理紗)

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