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弁護士のああ言う、こう言う

新人弁護士のつぶやき第19回~歩道上の事故は自転車が悪い?

(毎日Jpから)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100821k0000m040125000c.html

(記事の要約)
自転車で歩行者をはねて被害者を死亡させた交通事故で、東京地裁は、加害者の男性に5000万円の賠償を命じた上、刑事裁判でも重過失致死罪にあたるとして禁錮1年10月の実刑判決が下っていた(2007年)。

(新人弁護士のコメント)
弁護士イラスト(夏)重大な自転車事故の多発などを受けて今年3月、東京・大阪などの裁判官が、「歩道上の事故は原則、歩行者に過失はない」という新しい解釈基準を発表している。
今後は、自転車は原則として歩道を走ってはならないという法の建前と、これが定着していない社会の現実との間で議論が高まることになるのではないだろうか。

(先輩弁護士のディスカッション)
弁護士B「これは自転車には厳しい基準ですね。」
弁護士A 「自転車は車両だから車道を走るべき、という法の建前はわかる。しかし、現実は駐車違反車両などが多く自転車が車道を走れない。こんな状況で打ち出す基準ではないと思います。」
弁護士B「そのとおりですね。高齢者や子どもの自転車でも同じ扱いをするというのですから、だれでも安全に通れる自転車の通行スペースを車道に確保しないまま基準を変えるのはどうかと思います。」
弁護士C「ただ、記事にもあるように、自転車事故の増加という現状を無視することはできない。自転車だと自動車みたいに保険がないし、そもそも免許がいらないので交通ルールや運転技術を確保することもできない。」
弁護士A「保険については、最近では他の保険に自転車事故にも使えるものがくっついているのもありますよね。」
弁護士B「そうですね。最近の自動車保険にはけっこういろんなオプションが付いていて、意外な場面で使えることがありますよね。」

(新人弁護士のつぶやき)
弁護士イラスト3先輩方の目から見ても、今回裁判所が打ち出した基準は自転車に厳しいようです。自転車事故には、このほかにも子どもや高齢者も加害者になりやすいこと、また保険がなく賠償金も支払えないなど、未解決の問題が多くあります。裁判所が今回打ち出した基準の是非は別にして、自転車ユーザーの方には、ご注意いただきたいと思います。

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