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パンツを脱がされたいじめ問題

いじめを半年以上放置 広島・呉の中3下着脱がされ精神疾患

今回の記事ではいじめ問題に対する学校側の対応が問題とされている。
いじめ問題は、実は私が中学校時代(50年以上前である)にもあった。
中学1年の時であるが、クラスでいじめられている人がおり、その人をかばっていじめていた人と喧嘩をしたこともあった。
その当時、周囲の生徒は、身を張っていじめを防止しようとはしなかったが、決していじめを容認していたわけではなかった。
私は、1学期に学級代表に選ばれ、異例ではあるが、3学期にも学級代表に選ばれた。
担任が同じ人を選ばないようにというわざわざ注意したにもかかわらずである。
ほぼ、満票に近かった。
当時、いじめは悪いことであり、それに抗議しようとする人を評価しようという、暗黙の前提が生徒間にあったからだ。
しかし、現在、いじめを巡る状況は一変している。
いじめ件数が増えただけではなく、多くの生徒がいじめに無関心である、あるいは逆にいじめに何らかの形で加担しないと自分が標的にされるというような状況にあるという。

さて、今回のいじめ放置問題では学校は、事実関係を知りながら、半年間、放置し、市の教育委員会の連絡から動きだしたようだ。
この間、動かなかった理由として校長は《調査が被害生徒の負担になることなどを考慮した》と釈明したという。
また、教育委員会は、新聞の取材に対して《個人情報の保護と教育的配慮の観点から》回答できないという。

校長には、いじめ問題は《起こってはならないことである》という意識ぐらいはあったであろう。
ただ、この校長らは現実に発生した場合には、積極的に対応する能力を欠いていたのではなかろうか。
また、《困ったことが起きたから、解決しよう》というような強い意志も有していなかったのであろう。
中学3年生ならいずれ、卒業するまでそのままなんとかやり過ごしたら、それで1件、落着という対応であったと思われる。
そこには、教育的な配慮はどこにもなく、自己保身があるのみだ。

いじめ問題があるのなら、積極的にそれを問題として取り上げ、クラス会議や全校集会などで、いじめは許されないという話の場を作り、いじめ問題を生徒全体の問題として共有するのが、教育的配慮というべきものではないか。
2011年に大津市で発生したいじめ自殺問題に関与した弁護士は《学校は真摯に調査し、渡当事者に説明を果たす義務がある》と言っているようだ。
しかし、説明だけでは十分ではないだろう。
校長や教員はいじめをやめさせる義務がある。
しかし、教育者にとってはそれでは不十分である。
今回の例を参考にして、全校生徒にいじめ問題を取り上げ、それがどれだけ人を傷つけるかを考えてもらう機会とする必要がある。
教育的配慮というなら、そのようなことがまさに真の教育的配慮ではなかろうか。
(弁護士 大澤龍司)

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