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一番大切なものは何か

外部リンク:NGT運営 山口真帆の騒動でメンバーの関与を認める…「帰宅時間を伝えた」

【行き交う様々な情報、推測】
今回の件は、人の身の安全が脅かされた単なるスキャンダルとは異なり、重大な事件であると考える。
もっとも、インターネットやテレビでは、同じグループのメンバーの関与の有無など、様々な情報や推測が行き交っており、現時点では何が事実で何が事実でないかよくわからない状態である。
ツイッターの発言などからもっともそうな推測がなされていたとしても、それを事実として受け取ることは弁護士の目線からは危険であると思う。不適切な発言が名誉棄損等の問題を生じさせる可能性があるだけでなく事実とは異なる情報に惑わされることにより、身の安全を守る(危険への対策を行う)ことがおろそかになる可能性すらある。
したがって、今の時点で、確かに誤りがないとされる事実は多くはなく、(マスコミによる報道も含めて)現在の情報を鵜呑みにするのは適切ではないであろう。

【現在行われるべきこと】
現在、事実として固い部分は、男性2名により山口さんという方が暴行を受けたということである。この暴行に関しては不起訴処分とされているが、不起訴とされたことに関しては明らかに不当とまでは言えないのではないか。これがアイドルではなく一般人への暴行であったなら起訴はされないことが多いであろうし、もちろん報道もされないであろう。
犯罪の対象がアイドルであることから罪が決定的に重くなるということは、基本的にはない。
 しかし、犯罪の対象がアイドルであることから、模倣犯が発生するなど社会への影響は否定できない。
 つまり、犯罪対象がアイドルであることから当該事件の犯人の罪が直ちに重くなることはないが、アイドルが対象であることは同様または類似の犯罪が再度行われる可能性を高くする要素となるということはいえる。
 したがって、犯罪に関与したメンバーの調査に主眼が置かれている(ように感じられる)が、現在、取り急ぎ行われるべきことは、同様または類似の犯罪の被害を受けないように具体的な再犯防止策を明示・実行することではないだろうか。(防犯ブザーの交付という対策は一応あるようであるが、)様々な情報や憶測が行き交うことにより一番大切な対応が遅れているように感じられる。
 原因の追究や細かな経緯の確認などはその後でよいのではないだろうか。

(弁護士 畝岡遼太郎)

(弁護士コメント)
岡井:
この騒動については、事実関係があまり見えてこないが、被害にあったアイドルが必死で訴えたことを、運営側がもみ消したように見えることは事実である。

華やかに見えるアイドルの世界も、過酷な労働状況にあったり、違約金で縛られていたりする現状があるということは、よく報道で耳にする。
直接の因果関係があるかどうかは不明であるが、アイドルが自殺をしたというような話もある。

今回の件は、同グループのメンバーの差し金であるというような噂もあるところではあるが、事実関係がどのようなものであるにしろ、運営側が被害に遭ったアイドルを守るという姿勢が見られなかったことが問題である。
被害に遭って傷ついている者を、さらに傷つけ二次被害を与えるようなことは絶対にあってはならないことである。

北野:
 法的な観点とは少し違うが、今回は運営側の社会的責任という観点からコメントしてみたい。
畝岡弁護士が述べる通り、この事件は単なるアイドルへの暴行事件というだけではなく、内部からの情報で帰宅時間など把握できてしまった、というメンバーの安全管理の問題である部分が大きい。
 私のうっすらとした記憶ではあるが、ここ数年でアイドルが(握手会などで)一般人から暴行を受けるという事件がいくつかあったように思うし、運営側も安全には気を遣っていたはずである。それにもかかわらず他のメンバーが(うっかり)推測できるような帰宅時間を他人に教えてしまったのであれば情報管理への指導が不徹底というべきだろう(もし、無理やり帰宅時間を聞き出されたのであればそのメンバーの安全にも関わる問題である。)。
この点を運営側・メンバー・ファン、そして社会が取り囲んで議論していくことが再発防止にとって最も重要であるし、最優先で取り組まなければならない。そうでなければ、楽しいはずのコンサートイベントを作り上げることはできないし、個人的にはそれこそが「アイドルを応援する」ということだと思う。

大澤:
テレビはよく見るが、芸能ネタは興味がないので全くみない。
そのため、この記事だけを見ても何が何だか、まったくわからない。
今回はコメントを差し控えたい。

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