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治療費を打ち切られたら・・・・(後編)

teacher_tensaku_man.png  ~治療費を打ち切られたら~(弁護士 北野英彦)

 前回は治療費支払を途中で打ち切る保険会社の事情についてお話しました。
 今回は、支払いを打ち切られた被害者の側が取るべき対処についてお話していきたいと思います。

1.健康保険を使って通院を続けるべき
 保険会社が治療費支払いを打ち切った後も通院を続けたい場合、窓口で治療費をその都度支払う必要があります。
 ところが、健康保険も使わずに病院に行くと、治療費全額を負担する必要があるため、驚くほど高額な請求を受けることがあります。
 そのため、中には、保険会社の治療費打ち切りと同時に通院を止めてしまう(痛みをガマンしてしまう)方も少なくありません。
 しかし、痛みがあるのに通院を止めてしまうことは、本来行うべき治療が進まないだけではなく、後遺障害の認定に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、私どもは通院を続けたい依頼者の方に、お持ちの健康保険を使って通院を続けるという方法をお勧めしています。

2.「健康保険は交通事故の治療に使えない」?
 ところが、依頼者の方から時折、「病院で健康保険は使えないと言われた」という話を聞きますし、昔は「健康保険は交通事故の治療に使えない」といわれた時代があったようです(ちなみに、私も事件の中で病院から同じような話を言われて口論になったことがあります。)。
 しかし、今も昔も健康保険は交通事故の治療でも使えます。病院側が「交通事故の治療には健康保険を使えない」として拒否することは認められません。
 あきらめずに病院に「健康保険で通院したい」と申し入れましょう。
   健康保険を使うと、全額(10割)負担だった治療費が自己負担部分(一般には3割程度)だけを窓口で支払うだけで通院ができますので、治療費の負担を大幅に減らすことができます。
 お手元の治療費支払いが厳しい方は、ぜひ健康保険を活用しましょう。

3.自賠責保険の仮払い制度も知っておこう
 また、あまり知られていませんが、自動車事故では車の運転手が自賠責保険に加入しているはずですので、自賠責保険の「仮渡金」を請求するという方法もあります。
 仮渡金としてもらえる金額はそう多くはありません(ケガの程度などに応じて5万円、20万円、40万円の3段階)が、診断書や事故証明書など比較的簡単な書類を揃えて自賠責保険に提出すれば、受付から1週間程度で支払を受けることができます。
 手続は相手方の自賠責保険会社に電話すれば大抵は書類を送ってもらえます。

4.治療を止めれば後遺障害にも影響する
 前回お話しましたように、治療費の支払いを打ち切られた後も治らない場合のことを「症状固定」(=これ以上治らない状態)と言い、その場合は後遺障害が残っている可能性が考えられます。その場合は、後遺障害に対する慰謝料などの賠償金を支払ってもらえる可能性が出てきますので、後遺障害の認定に提出する医療記録などの資料を準備する必要があります。
 しかし、治療費の打ち切りとともに治療を止めてしまうと、肝心の医療記録が作成されないため、どのような痛みや障害が残っているのかが外部から見えない状況になってしまいます。
 他方で、保険会社も被害者が「痛い」と言っているだけでは後遺障害を認めようがありません。やはり医療記録などの客観的な資料をもって後遺障害の存在を証明する必要があることを憶えておきましょう。
 症状固定後の通院は自己負担で通院するしかありませんが、事故に遭われた皆様、無理をして痛みをガマンするのではなく、「諦めず」、「遠慮せず」、に通院を続けて頂きたいと思います。

5.入通院(傷害)慰謝料の額にご注意を!
 治療費の支払いを打ち切ると、保険会社は次に ①後遺障害の認定手続を行い、その認定結果を受けて ②示談金額の計算に入ります。
 ②示談金額には治療費以外に休業損害や通院慰謝料、交通費、文書料など様々な賠償費目が含まれます。このときよく問題になるものの一つに、前回もお話した「通院慰謝料」というものがあります(ちなみに入院した後に通院した場合は「入通院慰謝料」と言います)。
通院慰謝料は通院した期間に応じて算定されることが一般ですが、通院慰謝料はかなり低額な基準で計算されることが多く、弁護士に依頼することで大幅なアップを見込める損害の一つとなっています。
  この慰謝料についてもお話をしたかったのですが、少し長くなってしまいましたので、この件については次回じっくりとお話したいと思います。

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