事務所ブログ

てくてく旅行記

光太郎の詩を唱える

光太郎の愛 智恵子の愛②

6年前、妻は亡くなった。

土曜日の朝だった。

2人でトランプをした後、

私は庭に出ていた。

家に戻ったとき、妻は倒れていた。

突然の死だった。

位牌は作らず、仏壇に写真を飾っている。

お経は一度も唱えたことがない。

替わりに高村光太郎の詩を

声を出して読んでいた。

《レモン哀歌

そんなにもあなたはレモンを待っていた。

かなしく白くあかるい死の床で

私の手からとった一つのレモンを

あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ》

 

私の妻の名は知恵子、

歯のきれいのが自慢で

そしてレモンがとても好きだった。

事務所ブログを検索

月別アーカイブ

お電話またはメールフォームからお気軽にご連絡ください! 各種ご相談・お問い合わせ窓口

お電話でのお問い合わせ
06-6361-6017 ※番号をタップすると電話発信します

受付時間:月~金(祝日を除く) 9:30〜17:30