
何十年も前の話だが、福井県の小浜の裁判所に行ったことがある。
裁判所に行く途中に橋があり、その上から下を覗いてみた。
川幅の広い下流の水の中を大きな魚が一匹、悠々と泳いでいた。
夏の初めのやや暑い日だった。
そのとき、裁判所で何があったのか、
どんな事件だったのかは全く記憶にない。
先週(3月14日)に小浜を歩いてみた。
テレビで小浜の古い建物の町並みを写していたので、
もう一度、行ってみるか、ゆっくりと歩いてみるかと思った。
伝統町並保存地区というものがあり、
花街らしい町並みがあり、黒壁の家が連なっている通りがあった。
《ああ、これがテレビで写されたところだな》
夕方、土曜の5時半ころだが、土曜の夕方なのに、
三味線一つ鳴っておらず、芸者の嬌声もない、
華やかな看板も全くなく、開いている店もなかった。
灯りのともっている家もあったが、
営業しているという感じは全くなかったし、
僕ら3人以外に歩いている人さえいなかった。
ここに来る前、観光協会の人に聞いた話では
昔は2万人の人口だったのが、今は7000人だとか。
新幹線がくればなんとかなるかもしれないが、
それも見通し不明な状態ではなぁ・・
雨がぽつりと降り出し、海の方から吹く風も冷たい。
街が重く沈んでいるような暗い印象だった。
あの夏の思い出とは全く違う、さびれた小浜の風景だった。


