短期間のアルバイトでしたが、なかなか刺激的だった。

アルバイト生：K

週５日だけのアルバイトですが、《うちの事務所は少し、変っています。来られたら参考になりますよ》との言葉に誘われ、応募してみました。
勤務５日間ですが、その印象を簡単に記載していきます。

【こんな雰囲気もおもしろい】
所内の雰囲気は非常に開放的で、扉が開かれており、大澤先生をはじめ先生方と事務局の方々が活発にやり取りし、緊密に連携している様子が印象的でした。最初はその活発なコミュニケーションの中で集中することが難しいと感じましたが、次第に慣れ、むしろ刺激を受けながら業務に取り組むことができました。

【AIや新しいHPの立上げの議論も】
所長がおっしゃっていたように、こちらの事務所は「マニュアル通りに動くよりも、何かを創り出すことを楽しめる人」に向いていると強く感じました。限られた時間ではありましたが、自ら挑戦し、試行錯誤しながら取り組むことができ、その経験は他の法律事務所ではなかなか得難いものだと思います。

【依頼者対策に工夫しているという印象】
さらに、大きなディスプレイを活用した法律相談など、お客様の満足度を高める工夫が随所に見られました。相談室も窓から自然光が差し込み、明るく安心感のある雰囲気が整えられていたことも印象的でした。

【おいしくて楽しい時間も・・】
加えて、お昼ご飯をご一緒させていただく機会もあり、そこでの先生方との会話から多くの学びや刺激を得ることができました。日常の業務だけでは知ることのできない先生方の考え方や視点に触れられたことも、大変貴重な経験でした。
短い期間ではありましたが、このような環境で学ばせていただけたことに深く感謝しております。

アルバイト生：S

５日間の短期間アルバイトでしたが、その中で私が感じた感想を述べていきます。

１．事務員との連携がとてもよくとれている
この事務所では、事務員との連携が非常に良くとれている。
弁護士が法律相談に対応している際、事務員の方が地番検索サービス等を使って対象不動産の登記情報を取得し、弁護士にそれを渡しているのが特に印象的だった。
また、事件ごとに主任弁護士と担当事務員が決まっており、二人三脚で事件処理に取り組まれていることも特徴である。
この事務所は相続事件がかなり多いが、使途不明金の調査はその負担が大きいようである。
そのため、データの入力は弁護士、検討は弁護士と事務員の協議、訴状等裁判所文書は弁護士が担当し、限られた人的資本と時間で依頼人の利益を実現する主張を組み立てており、他の事務所にはないユニークな取り組みだと感心した。
これまで他の事務所での経験では、相続事件について事務員と協力して解決にあたっているのを見たことはあるが、電話対応や法律相談への同席、書類収集にとどまっており、ここまで事務員と弁護士が協働している事務所は少ないと感じた。

２．新しいことに対する積極性
次に新しい取り組みに積極性が感じられる。
例えば、ＡＩの利活用に対する関心のほか、空き家処理サービス、おひとり様終活、リゾート会員権、相続放棄という新たな分野開拓に次々とチャレンジしていく姿勢は他の事務所にはないものであろう。
ＡＩの利活用については、取引履歴書の要約やpdf文書のexcelへの自動入力、入力ミスチェックに活用し、使途不明金調査の労力を減らしていく方法を検討中というお話を聞いた。
このようなAIの利活用に対する積極性は顧客満足に向けたよりよい法的サービスの提供の追求の姿勢の延長線にあるものだという印象を得た。

３．相続Ｑ＆Ａに対する工夫
この事務所は顧客獲得のため、早くからネットを活用しており、私がアルバイトした5日間でもかなり多くの法律相談の依頼があった。
その多くは、この事務所が展開している相続Ｑ＆Ａの読者から来ているようであった。
このようなＱ＆Ａの展開は約１５年前から継続されており、現在、質問数は９００件を超えており、その全部について、弁護士全員が協議の上、回答を作成しているのには、手間をかけているなぁと驚かされた。
特に印象的だったのは事務員が協議に参加していることだ。
弁護士の視線で回答をみるのではなく、質問者に近い立場にある事務員の意見を聞き、Ｑ＆Ａの読者によりわかりやすい内容にするためだという、そこまでサービスに徹するのかと驚いた。
潜在顧客であるＱ＆Ａ閲覧者が実際の顧客となるように様々な工夫を凝らしている点も特徴的であると感じた。
なお、Ｑ＆Ａは相談者を顧客に取り込むことを目的として作成されているものであると考えていたが、そうではなく、閲覧者の事件の受任率を上げることを目的としているという点の説明も目新しい視点だと思った。
この他、部外者にも分かりやすいように結論を項目立てする、相談者とは事情の異なる閲覧者の需要にもこたえられるように回答を膨らませるといった工夫に目を惹かれた。

４．会話量について
弁護士間のやりとりが活発である一方、事務員間の雑談は少ないと感じた。
ただし、業務連絡については事務員間と弁護士―事務員間で活発に行われており、コミュニケーション不全は一切ないようだ。
これも弁護士と事務員が1つの大部屋で仕事をしている利点であろう。
また、業務にミスがあってもすぐさま共有し、対応・処理しており、弁護士と事務員間の距離は極めて近いと感じた。
また、最も経験のある所長の大澤弁護士が相部屋にいること、人柄もよく話やすい点もこの事務所独特の雰囲気を作り出しているように思える。

５．結語
短期間のバイトではあったが、ユニークな取り組をしているのを肌に感じることができ、わずか５日間ではあったが有意義な時間が過ごせたことに感謝したい。