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裁判員になってよかったがなんと96%!

外部リンク:裁判員制度10年 市民感覚の反映どう検証

ものすごく高い評価だと思う。

テレビ番組では弁護士が活躍する法廷ドラマがよく放映されている。
それが眼の前で展開されるのだから、裁判員になりたいと思う人も大勢いるに違いない。
しかし、反面、テレビならおもしろくなければチャンネルを切り替えればいいのだが、裁判員はそうはいかない。
この社説にもあるように、姫路では207日も裁判所に出廷したというケースもある。
休日に裁判はないから、ほぼ1年ほど、裁判所に通ったことになる、たいへんだったろう。

裁判員になる前は、就任することに47%が消極的だったが、いざ、裁判が終わった後では96%が「よい経験と感じた」とのコメントをしているという。
ものすごく好印象だ。
法律・司法という、全く分からない世界だが、裁判官とともに事件の解明に取り組むという新鮮な経験をしたことが高い評価につながっているのではなかろうか。
裁判官の立場から言えば、以前は裁判官3名の合議だけで結論を決めるので、効率的かつ迅速に判決を出すことができた。
それが、《全くの素人》が入るのだから、説明するだけでも時間がかかる。
それを根気よく丁寧に説明するという涙ぐましい努力がなされており、それがこの高評価につながったのではなかろうか。

裁判にどのような影響を与えたかだが、犯罪の認定(有罪・無罪)と量刑(刑の重さ)の双方から検討がされる必要がある。
現在までのところ、量刑の方は悪質な交通事故や性犯罪では重罰化、殺人のうち介護疲れによる場合は刑が軽くなっているようであり、市民感覚が生かされているようだ。
ただ、当初、検察官の求刑より重い判決が相次いだ時期があったが、最高裁の《相場より重罰化するには、具体的で説得力のある根拠を示すべきだ》との判決がでた。
その後、求刑を超える判決は減ったという。
ここでも裁判官が、求刑を超えないようにという説得を大いにしていると思われ、それがこの量刑を《妥当なところに落ち着かせる》ことになったのだろう。

問題点としては、裁判員の負担をどのように軽減するかという問題がある。
事件の長期化に伴う裁判員は、その間、自分の仕事ができないだろうから、その分を誰がどのように負担するか・・・経済的な負担をどのように軽減するのかを考える必要があろう。
また、残虐な事件に立会をする裁判員の心理的ケアも必要不可欠であろう。
ただ、裁判員裁判は、一番肝心な点で検証ができていない。
特に冤罪が争われるような事件は、長期間かかり、かつ犯罪が成立するのかどうかについて、裁判員がどのような判断をだすのか、興味がある。
裁判官が、犯罪の成否の点でも《大いなる説得をするのかどうか》を興味を持って観察する必要があるだろう。
(弁護士 大澤龍司)


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