大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

地下鉄の運転、ひげがあっても、なかってもできるはずだが・・

外部リンク:ひげ禁止訴訟で大阪市に44万円賠償命令 「生やすかどうかは個人の自由」大阪地裁

男はなぜひげをのばすのだろうか。
今回の関連記事(外部リンク:人生相談 男性が「ひげ」を生やす理由が分からない)を見ていると、75歳の女性の《私はひげが嫌いです。不潔感といやらしさを感じます。》、《男はなぜひげを生やすのか教えてください》というのがあった。
私も同意見だ。
私は、日本人でひげが似合う人は少ないと思っている。
その数少ない例外が、今は亡くなったが、ラグビーの神戸製鋼の平尾誠二だ。
ただ、男性であると女性であるとを問わず、ひげの好きな人もいる。
ひとそれぞれの好みということだろう。
ちなみに元大阪市長だった橋下徹氏の顔ではひげは似合わないだろう。

さて、裁判のことであるが、ポイントは、ひげが仕事に差支えがあるかどうかである。
今回、問題となった仕事は地下鉄の運転であるが、ひげがあっても運転になんの支障もない。
また、地下鉄に乗るとき、運転士の顔を見ることもほとんどないのだから、接客という面でも職務にはほとんど関係がない。
ただ、あまりにも見苦しい無精ひげということであれば、運転には支障がなくとも、乗客に不快感を与えるであろう。
また、そのような無精ひげを見過ごしている事業体の管理体制に疑問がつき、《ちゃんと従業員を監督していないのかいな》という企業のイメージダウンにつながる。
このような場合には、査定評価がダウンしてもやむをえないと思われる。

今回の従業員のひげであるが、似合わないと思う人もおれば、似合うという人もいるだろうが、それは個人の好みの問題であり、美意識の問題である。
いずれにせよ、今回の問題の解決には影響しない。
間違いなくいえるのは、それなりの手入れがされており、不快というレベルではないということだ。
これで査定が下がるというのであれば、それは気の毒であり、納得できないというその従業員の気持ちもわかる。
裁判所も同じ気持であったのだろう。
ということで、今回の判決結果は私としては、極めて妥当なところだろうという見解だ。

最後に、ひげがあれば一律に評価を下げるという姿勢が気になる。
ひげは嫌いというのは個人の価値観であり、それをとやかく言う気はないが、市長という立場でそれを制度化して、ひげがあれば査定評価をさげるというのはなんとも怖い。
仕事につくからといって、事業体や上司が、従業員のすべてを制限できるわけではない。
しかし、反面、どんなひげでも許されるということではない。
無精ひげを生やし続け、誰が見ても不快というような場合には当然、評価が下がるだろう。例えば、今回の地下鉄のケースで言えば、制服を拒否して私服を着用して勤務すれば、それはやはり職場規律違反として評価が低くなることはやむを得ないということになるだろう。
多数の人が殺到する中で、制服により従業員かどうかが一見して明らかになるという点で、制服の着用させることに合理性があるからである。
また、業種―例えば接客業―によってはひげをはやすことを一律に禁止するのに合理性がある場合もありうるということも注意をしておいてもいいだろう。
(弁護士 大澤龍司)

(弁護士コメント)
北野:
 私自身は、20歳前後のころにホテルで宴会のアルバイトをしていたことがあり、そのときは服装や髪型を厳しく言われた。髪は黒髪に限定、パーマは御法度、仕事の度に整髪料で固めないといけないし、ヒゲなど論外であった(女性も必ず髪をくくるように決まっていたように思う)。もし一つでも違反があると仕事に入れてもらえなかった。飲食業であり、特に格式や信頼を重視する業種であるため当然だとは思うが、やはり厳しかった。
 他方、同じ接客業でも、居酒屋やコンビニなどでは金髪や茶髪のバイトさんも見かけるが、そこはホテルとコンビニの客層の違いでルールの厳しさがやや緩和されるのだろう。つまり、仕事の内容でルールの厳しさは違ってくる。
 今回のヒゲ問題で言えば、仕事は電車の運転手。運転手は運転技術で仕事をするのだから、顔つきで仕事に影響が出るとは思わないし、少なくとも私はヒゲの運転手を見ても特に気にしない。そんな運転手の電車は乗りたくない、という投書が殺到したのだろうか。
むしろ、運転手を評価するのであれば、大阪メトロで停車時のブレーキが粗い運転手が時々いるので、そっち方を厳しく取り締まって欲しいと思うくらいである。あれは(私を含め)乗り物酔いに弱い客には辛い。
 今回の判決話を元に戻すと、今回の判決には余分な就業規則に歯止めをかける意味があると思われるため、結論においては賛成である

岡井:
昔は、今では考えられないような規則や校則があった。
私が学生の頃は、自分の通っていた学校ではないが、「男子は丸刈り」、「女子は肩につく髪は結ぶ」「黒髪でなければならない」、「制服の下は何も着てはいけない」などといった校則があると聞いたことがある。
「風紀が乱れる」という、もっともなようで中身のない理由をつけて、校則に縛られていた。

学校でも、会社でも、学生や職員にルールを課す際は、その背後に、そのルールを課すことの合理的な理由がなければならない。

今回の、ひげの問題については、大澤弁護士もコメントしているように、合理的理由があるとは言えないだろう。
もちろん、同じひげの問題でも、職種によって合理的理由があるかは異なり、飲食店など衛生面の問題があるのなら別である。
「従業員はひげを生やしてはいけない」というような単一的な判断をするのではなく、当該会社で当該従業員がひげを生やしていることが与える影響や問題について、具体的に考えた上で判断をすることが必要である。


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