大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

いじめ問題に関わる学校の情報管理

外部リンク:<いじめ母子心中>両親のメモを無断で相手に 学校の対応に家族不信募らす

記事によれば、いじめの被害申告を受けた女子生徒の両親が、同級生宛に書いた質問事項のメモを学校側が無断で同級生側に渡してしまったことで、女子生徒の両親は学校側に不審を抱いたようである。

いじめの問題は大人が手を出しても解決できない部分が多く、関係者に対するデリケートな配慮が必要なことが多い。学校側も被害女子生徒の両親がどのような心境で作成した質問事項だったのか、どのような形で先方に質問を伝えたかったのか、慎重な配慮が必要だったと思われる。

開示が無断だったことについての問題はさておき、記事を読んだ方の中には「どうせ質問する内容なのだから質問事項を見てもらってなにが問題なのか?」と思う方もいらっしゃるかも知れない。
推測ではあるが、メモを渡した校長もそのような考えだったかも知れない。
同級生の方に深く考えてほしい、あるいは事前に調べて回答して欲しい質問だったのなら、開示しても結果的にそれほど支障は無かったかもしれない。

しかし、質問の内容によっては話が違う。
同級生の率直な気持ちを聞きたいということから、面談時などの現場で直にぶつけてみたい質問だったかも知れない。
 弁護士の立場で例えるならば、法廷で相手方の証人にぶつける決め手の質問が事前にバレてしまったようなものである。これでは適当な言い訳を事前に準備されてしまい、本当に聞きたいことが聞けなくなってしまう。
 質問内容は明らかではないが、そういう質問だったのではないだろうか。

先ほども述べたが、いじめの問題は根深く、どんなに大人が乗り出しても見えにくい部分は多い。特に学校側は、なにも証拠なく特定の生徒を疑ったり処分したりするわけにもいかない。その結果、被害申告を行った生徒側とは意識のズレが起きやすいのかもしれない。ここに一つのいじめ問題の難しさがある。
だからといっていじめの問題を放置するわけにはいかない。
今回は情報管理に関する指摘だったが、根本的には、いじめの申告があれば事実確認も解決方針の決定も対処も迅速に進められる体制作りを整えていかなければならないだろう。
死ななくてもよい命が二度と失われないよう、大人たちは努力を続けるしかない。
(弁護士 北野英彦)

(弁護士コメント)
岡井:
学校側は、どうもいじめの問題から目を背けがちで、学校側の対応不足や対応の遅さによって最悪の事態が生じてしまったのではないかと思われることも多い。
この原因は、いじめが起きたとき、どのように対処するかという点がきちんと検討されておらず、方針を打ち出す人がいないからではないかと思う。
対処の方針が立たないからといって何もせず放置したり、今回のように軽率な行動をしてよいのかというともちろんそうではないのだが、いじめは非常にセンシティブな問題であるため、校長をはじめ学校の職員だけでなんとかできる問題ではないように感じる。
教育委員会や児童相談所、弁護士、医師、心理や福祉の専門家、必要に応じて警察や保護司などとも連携の上、被害者については弁護士、医師、心理や福祉の専門家が丁寧に話を聞き、状態によっては無理に登校させないなどといった対応をすることが必要である。
また、加害者についても、家庭環境や自身の精神状態の不安定さなどから加害行為に及んでいる場合も多いと聞くので、同じように、弁護士や心理福祉の専門家、場合によっては保護司などによる対応が必要になるのではないだろうか。

大澤:
いじめ問題が発生した場合、いじめの現場から被害者児童を隔離する必要がある。
今回のケースでは一旦は隔離したようだが、安易に教室に戻したようであり、これが最悪の結果を招いたようだ。
いじめ問題が難しいのは、教師あるいは学校側としては、いじめられる側といじめる側がともに生徒であるという点だ。
そのため、双方の言い分が対立する場合、学校側としてはどちらにもつけず、にっちもさっちも行かなくなる場面があるだろう。
その解決ために、岡井弁護士のいうような、学校とは別の立場で関与する人や制度が必要だろう。
心理的なケアのためにカウンセラーなどが、また、事実関係の調査のために弁護士などの専門職が向いているだろう。
当然、予算が必要だが、次世代を担う子供たちのためであり、命に係わる問題でもあることを考えれば、予算うんぬんの話ではない。
心理的なケアは加害者児童にとっても必要だ。
自分が意識もしない行為がいじめと受け取られている可能性もあり、仮にいじめになる行為だとしても、そのいじめをやめさせるには加害者児童の心理ケアも必要不可欠だろう。
今回のケースの特異性は母親による無理心中ということであるが、このようなケースを考えると親まで視野に入れたケアが必要であり、到底、学校側で処理できる案件ではなかろうという点からも、ますます専門家の関与は必要不可欠であろう。
なお、被害者のメモが、学校により加害者側に渡ったことも問題になっている。
そのメモの内容がどのようなものだったかは不明だが、そのままメモを渡すなら、なぜ被害者側の了解を取り付けなかったのだろう。
このメモの扱い一つをとっても、学校側の無神経、無策、無能力がはっきりしている。
しかし、それで学校を責めても問題の根本的な解決にはならないだろう。
やはり、第三者の関与は必要不可欠ではなかろうか。


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